落ちた
夕方、大どしゃぶり。
街を車で走ると、この雨の中を傘をささないで走りもせずに歩いている人が多数いる。やけくそ、というより、この雨を喜んでいるかのよう。自転車の高校生たちは特にそう。
帰宅して家の中にいると、窓の外からボタボタボタと大きな音がする。
見てみると屋根からの落水。雨樋がほとんど役立たずになっている。雨量の多さというより、樋が詰っているんだろう。
雨が上がってから、忘れないうちにと雨樋の掃除にとりかかった。
目当ての樋は別棟の屋根。2階のベランダにはしごを持ち出して、別棟に立てかける。上がって樋を見てみると、ああ、やっぱり詰っていますね。掃除をするためにはしごから屋根の上に上がろうとしたところ・・・ズルンッ!とはしごの足がすべった。ベランダの手すりを支点として反転するはしご。ガシャーン!と大音量の中で落下する私の体。
ああっと伸ばした手がかろうじて別棟の壁を捉え、足もベランダの縁に引っかかった。しかし、落下をとどめたのみ、その姿勢から身動きできない。
大声で長男を呼ぶ。「おーい!2階に上がって来い!」
何事かと現れた長男、「うわっ!物干し台が倒れてる!」おいおい、驚くのはそっちじゃない。こっちだこっち。ベランダの手すりの外でありえない姿で固まっている父を見て「何してるの」いやいいから、そこのはしごをしっかり持っていてくれ。長男が支えるはしごに手を伸ばし、やっとベランダに復帰。
はあー、ベランダの物干し台が、反転したはしごのストッパーになってくれた。これがなければ、私ははしごといっしょに5m下に落下していた。片づけないで作業を始めた横着が幸いした。
夜半、秋の虫が鳴き出した。
