『笑の大学』
京都で日帰りの会議。
帰りの新幹線の中ではDVD『笑の大学』観賞。
昭和16年、紀元2600年。検閲官と笑劇団の座付作家との攻防。笑を全然理解していない検閲官の無理難題を作家が受けて立つうちに、検閲は実質的に喜劇台本を練り上げる共同作業になっていく。
本直しは作家の闘いそのもの。権力の横暴に席を蹴るのが闘いではない。闘いとは、状況を少しでも変えるために、少しでも実を得るために、幾重もの条件をしぶとくしぶとくかいくぐること。
途中から泣けてしょうがなかった。作家の喜劇への愛の深さに。それゆえのしたたかさに。ひるがえって俺は何をしている、何をやっているのか。
「闘う君の歌を闘わない奴らが嗤うだろう。冷たい水の中を震えながら登っていけ」(『ファイト!』中島みゆき)
舞台の完成度はさらに次元が違ったという。再演を望む。