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『あの、夏の日〜とんでろ じいちゃん』

大林宣彦監督、尾道新三部作の三作目。

老いて言動や行動が怪しくなってきた祖父との夏休み。小林桂樹の軽さが老いをファンタジーに変えてしまう。それはどんな人生のどんな瞬間にもきらめきがあるという、監督の生へのまなざしそのもの。

DVDには特典映像として監督の語りが実に20分収録されている。大林監督の話、質朴というんでしょうか。決して激することなくゆるがない芯の強さと、目の前のものへの愛情をいつも感じさせる。かつてテレビ番組「エビ天」の審査員をしていたとき、なんてことない作品が大林氏のコメント一つでとたんに深みを与えられたことを思い出す。

この映画に出演していた山本晋也氏が撮影中にこんなことを言って喜んでいたそうだ。
「おお、この組はピーカンをやっている。時間かかるよね、待ち時間あるよね。その間においしいお酒が飲めるよね。みんなでいっぱい話ができるよね。だから組の雰囲気がいいんだよね」
ピーカンとは、空の青さに露出を合わせること。そうすると近くの人物たちは暗くなってしまうので強力な照明他の用意がいる。郷愁をさそうあの空の青さは力技の賜物だった。

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