活私開公
連続講座「こころの開発」、テーマは「宗教から考える公共性」、講師は稲垣久和師。
稲垣師は宗教哲学を専門とし、近年はアカデミズムにおける「公共哲学ムーブメント」の先頭に立っている方。
稲垣師は最近の日本のスピリチュアル・ブームに懸念を感じている。
スピリチュアル・ブームには私と公の2系統が認められるが、前者は無思考の依存症を招き、後者はやはり無思考の偏狭なナショナリズムを生む。
スピリチュアルの語源は「空気」だそうだ。かつて山本七平が、場の支配力として「空気」という語を持ち出したのは炯眼というべきか。
稲垣師はかつての「滅私奉公」に対して「活私開公」を提唱している。そして憲法13条の「公共の福祉」を再解釈する必要を訴える。公共の福祉とは即ち「市民の」福祉であると。
活私開公。仏教の縁起の訳語としても適切と思う。
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