『夕凪の街 桜の国』
シネマスクエアとうきゅうにて。
キャスティングの勝利。皆実役の麻生久美子、母役の藤村志保が絶品。
それに加えて、当時の広島の町並みの再現が素晴らしい。と言っても、実際のあの場を知っている人が観たら違和感はあるかもしれないが。私が『ALWAYS三丁目の夕日』を全然評価できないように。
原作と映画とは別物とは十分承知している。が、どうしても比べてしまう。
映画を見終わってマンガ版を再読した。マンガ版の省略の仕方のうまさにあらためて感嘆する。それに比べると映画版は少々描き過ぎた感がある。それによりイメージの広がりが若干損なわれてしまった。
映画ではマンガとは少しだけ設定を変えている。
そのひとつ、皆実の、幸せになることへの抵抗について、マンガ版ではただ「生き残った」だけでなく、「他を見捨てた」という罪意識が描かれるが、映画では「生き残った」こと自体の重みに絞った。それは後半の、母の苦にも直結されて、作品の全体を貫く剛い糸となった。
佳作。
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