人なきがごとし
ドキュメンタリー映画『六ヶ所ラプソディー』を観る。八王子労政会館にて。
青森県六ヶ所村に使用済み核燃料再処理工場が完成、今年から操業が予定されている。そこに住むいろいろな立場の人びとの顔と思いをつづっていく。諦観と不安。きわめて抑制のきいた構成。それが、この施設が推進されることへの不思議さをつのらせる。それをさせているのは何だ。
映画中、場内に携帯電話の着信音が鳴った。ごそごそとバッグの中を探している音。「はい」え?電話に出ちゃうの?「うん、今、映画を観てるとこ」会話が場内に響く。
その主は70代半ばに見える男性。「えーっね、労政会館だよ、労政、わかる?うん、分からなかったらまた電話して」
・・・映画上映中に会場内で電話をする場面には初めて出くわしました。映画館じゃなくてホールでの自主上映だったから自分の家でビデオを観ている感覚になったのか。傍若無人。
しばらくしてまた着信音。「うん、まだやってる。あと30分くらいだよ」
不思議なくらい周りを気にしていない。もう泰然自若の域。
はー、ご立派です。どうぞ長生きしてください。
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