切り口
夜、東京仏教学院講義。
講義で『A2』をまるまる観る。ドキュメンタリー2時間というのは慣れない人にはちょっとキツイとは思ったが、案外皆さんついてきてくれた感触。
以前これを講義で使った時は、若い受講生から「作品の背景と、講義でこれを観せた意図を説明してくれないと何の感想も言いようがない」とクレームがついた。この作品は外国でも上映されている。虚心に観て自分なりの切り口で考えてくれればいんだよと少し呆れた。正解を覚えるのが仏教を学ぶことだと勘違いしている節も感じた。
しかし考えてみれば誰もが自明の事件と思っていたオウム事件が起こったのは10数年前。当時10歳くらいの子どもには事件の記憶も意味もほとんどないということなのだろう。
今日も若い受講生があるので、事件の概略をまず説明した。しかしあのまるごとの状況は体験していないと想像は難しいかもしれない。
だとしても、この映画を今見る意味は充分ある。切り口は多い。宗教、宗教と社会、異物や他者との出会い方、共生、差別、寛容、責任、想像力、マスコミ、情報、メディアリテラシー・・・。
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