『消された一家』
しばらく前に買いながらずーっと本棚で寝ていたノンフィクション、『消された一家』をなぜか今になって手にし、読了。
北九州のマンションを舞台に、ある男の支配下に一家族が置かれ、互いに殺し合い全滅したという凄絶な事件のドキュメンタリー。
被害者たちがなぜそんな心理に追い込まれたのかは本書を読んでも理解はできない。
ただ首謀者の天才は疑いない。
天才という呼び名は私は否定的評価としてしか使わない。北九州の事件の首謀者の人心操作術、作話術においての天才は、おそらく良心をつかさどる脳の部位の障害から発している。
この事件ほど極端ではないにしろ、DVやモラルハラスメントにあいながら逃げられない被害者の心理は共通するものがある。尊厳を奪われると人は過剰に従属するようだ。
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