見つめられ
暑い。
夜、某書店にて。
閉店のアナウンスが流れる中、新刊書の棚を眺めていた私に若い書店員が近づいてきて、「何かお探しですか?」
美しい女性だったが、鋭い目をキッとこちらに向けたまま離さない。笑っていない。
「閉店なんだからとっとと出てけよ」という意志を確かに受け取った。
「あ、いえ、すみません、もう出ます」と謝ってしまう。手にしていた本の会計をすませ、店を出た瞬間に売り場の電気が落された。あー、俺が出ていくのを本当に待っていたのね。
私、女性に見つめられると無条件に反射的に謝ってしまう癖がある。怖かったです。
Comments